元日の風景

 新年である。去年の終わりに、Daichiに「初日の出、見に行くか?」と聞くと、すっかりその気になって「行く行く」という。ということで、6時半すぎに、寝ぼけて「まだ食べる〜」というDaichiに無理矢理、パジャマの上にジャンパーとズボンをはかせて、家を出る。


 初日の出を見て、今年の決意をするというのも、縄文時代以来の習俗であろうか。Daichiに「何か、決意したか?」と聞くと、小さな声で「算数」という。ふむ、がんばってくれ。さらに「どうせパパは、ドラゴンズの日本一だろ」という。ええい、もっと高尚なことを願ったわい。


 夕食後、Satoを抱っこしながら、ラジオを聞く。赤ん坊の抱っことラジオは、なかなか相性がいい。内田樹の世相分析を、Satoのご機嫌を取りながら、ぼんやり聞く。


 社会保障問題について、結局のところ単に金の問題でもなく、単に連帯の思いだけでも解決にはならない。結局は、その間にあって、具体的な行動をする人間が重要なのだという。わかったようなわからないような話ではあるが、「〜の問題でも、〜の問題でもなく、結局は人なのだ」というセリフは使えるな、とメモしておく。


 あと、科学と市民の関係の話で、市民とは煎じ詰めれば身体の事柄なのだ、という話が面白かった。


 正月の、ほろ酔い加減で、ちょっとピントの合わない頭での思考は、行方を失ってさまよっていくのであった。