ポーコック
必要があって、邦訳のポーコック『マキアヴェリアン・モーメント』を読む。
マキァヴェリアン・モーメント―フィレンツェの政治思想と大西洋圏の共和主義の伝統
- 作者: ジョン・G.A.ポーコック,John G.A. Pocock,田中秀夫,奥田敬,森岡邦泰
- 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会
- 発売日: 2008/01/01
- メディア: 単行本
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あらためて言うまでもないことだが、この大部な難物を訳された訳者の方々のご努力には頭が下がる。いや、たいしたものである。日本の翻訳文化もここまで来たか、と思わざるをえない。
とはいえ、邦訳で読んでも、やはりこの本は難物である。
今日読んだのは、最初の3章分。世俗の社会や、そこでの時間の流れの意味について認めない中世キリスト教ヨーロッパにおいて、政治社会や世俗的歴史の意味を評価するために、いかなる理論的武器が用いられたか。読みこなすのは大変だが、スリリングな議論である。
昔読んだときは、この部分に一番興奮した。いま読み直してみると、かなり荒っぽい議論という気もするが、それでもやはり魅力を感じる。