ポーコック

 『思想』3月号は、ポーコックの特集。ポーコック自身による「思想の言葉」と、佐々木武先生による泣かせるインタヴュー記事にはじまり、読みがいのある論考が続く。


 やはり圧巻は、最後を飾る木庭顕先生の論文。ポーコックの『野蛮と宗教』を自在に読み解き、と同時に、歴史学と政治思想の方法論について鮮やかな議論を展開する。重厚な文章でありながら、論争的であり(スキナーが血祭りにあげられている。というか歯牙にもかけられていない)、かつ伝法(「ちょっとばかしやばいかもしれませんぜ、とうとう奴らもこの楽しみを発見したようですからねぇ」などという文章が出てくる)である。



 読んでいて、思わずめまいがしてきた。今も、ぼうぜんとしている。