約束

 某出版社の編集者の方が来訪。本の企画は、今度出した本より古い。ほんとうはそちらの方が先約だったのだが、ついつい自分にとってなじみのネタの方に向かってしまった。まあ、それはそれで良かったような気もするけど、約束は約束である。


 「あっちの方もかたづいたんですから、いよいよですね」とにっこりほほえまれる。うぐっ。「そうですね〜」ととりあえず返答。


 以後、あ〜だこ〜だ、必死に話をつなぐ。結論。「それじゃあ、書いてみましょう!」。力強いお言葉で励まされる。


 思わず、「来年にはぜひ」と口にする。編集者の方の目が光る。「そ〜〜ですね。ぜ〜ひ〜、来年には出しましょう」。


 はい、と約束してしまった。