ノーベル文学賞

 そろそろノーベル文学賞の発表だと思うけど、村上春樹はどうなるのだろう。カフカ賞も受賞しているということで、前評判はそこそこあるようだけど。


 僕は村上春樹の文章が好きである。間違いなく、彼の文章は現代日本語の表現の幅と深さを増したと思う。自意識への適切な距離の取り方、精神的なことを書くための表現の多様さ、文体の柔軟さとリズム感(村上的に言えば、グルーブ感)などなど。


 でも、問題は、ノーベル賞はあくまで、国際的評価ということだ。彼の書いたものは、世界各国で独特な受容をされている。それに対する偏見もあるだろう。それがさて、どう評価されるか。