大阪の一夜

 とある研究会で報告をしないかとさそわれ、大阪に出かけた。今月は出張が多かったので、もう一度出かけるのはおっくうだったけど、旅費と宿泊費を出して下さるとのことだし、とりあえず、という感じで家を出た。



 しかし、研究会のメンバーは知らない人も多く、いざ出席してみると急に緊張が高まる。違うディシプリンの人の前で話すのは、なかなか刺激があって面白いが、独特の緊張感がある。なんとなく、小出しに話題を繰り出し、反応を見ながら話すという感じになる。しかも、話している最中に、劇作家・評論家として有名なYさんが入ってきたので、ますます緊張してしまった。ミーハーだが、僕は昔からこの人の本をけっこう好んで読んできたからだ。



 とはいえ、活発に質問が飛び出し、それに答えているうちに調子が出てくる。気づくと3時間、しゃべりまくった。疲れたけど、面白かった。何よりYさんと話をできたのはいい経験だった。



 研究会メンバーには意外なことに、15年ぶりに見る顔も。僕は学生時代、某国際交流団体に参加したのだが、そのときのメンバーだ。研究会の終わった後、二次会はそういったメンバーに引っ張られ、道頓堀へ。おお、これがあのグリコか。う〜む、阪神ファンはここから川に飛び込むのだな。今は飛び込めなくなっているけど。さらに、のりで、ちょうど終電ライブをやっていた松竹の劇場に入ってしまう。猫ひろしという人がいた。みんな喜んでいるが、僕はそもそも顔を見るのもはじめてなので、なんだか気の弱そうなおにいさんにしか見えなかったけど。



 ということでYさんさんから猫ひろしまで、実に多様な顔ぶれに遭遇して、僕の大阪の一夜は終わった。